胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査を受けられる方へ
胃カメラは、正式には上部消化管内視鏡検査といいます。
主に胃炎や胃潰瘍の診断、胃癌の精密検査や、健診で異常が疑われた方の精査を対象とし、食道、胃、十二指腸を観察して、必要な際は組織の一部を切り取り、病理検査を行います。
当院では、咽頭反射を抑えるため、検査前、咽頭にゼリーやスプレーで十分な麻酔を施します。
また、経鼻内視鏡検査という鼻から内視鏡を挿入する方法も可能です。内視鏡が舌の付け根やのどに触れずに済むため、検査時の吐き気や不快感が大幅に軽減されます。
他院様で受けられた胃カメラ検査により苦手意識をお持ちの方でも、検査時の吐き気や不快感が大幅に軽減されるよう努めておりますので、安心してご相談下さい。
※ 当院では不安の強い方のために麻酔(眠くなる薬)を使用しての検査が可能です。
※ 土曜・日曜にも検査を行っていますので、平日忙しくて他では検査のできない方もご相談下さい。
胃カメラで分かる主な疾患
喉 | 咽頭癌、喉頭癌 |
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食道 | 食道癌、食道静脈瘤、逆流性食道炎 |
胃 | 胃癌、胃ポリープ、胃粘膜下腫瘍、胃炎、胃潰瘍、ピロリ菌感染症 |
十二指腸 | 十二指腸潰瘍、十二指腸ポリープ、乳頭部腫瘍 |
◆ 以下のような症状がおありの際には、ぜひ、胃カメラ検査お受け下さい。
- 喉や胸につかえ感、胸焼け
- 黒色の便が出る
- 吐き気、胃もたれ、みぞおちの痛み
- 体重が減少する
- 胃透視(バリウム検査)で異常を指摘された
定期検診のススメ
「癌があるかないか」は、胃カメラ検査で最も重要な項目といえます。
多くの癌に当てはまることですが、早期発見し適切な治療を行えば、必ずしも怖い病気ではなく、粘膜内癌(最初期の早期癌)の段階で発見すれば、胃癌の95%は完治します。
そのためには、症状のないうちから定期的に検査する必要があります。
特に、仕事が忙しく健康管理が後回しになりがちな40~50代以降の方、生活習慣病がある方、飲酒量が多い、喫煙歴がある、ピロリ菌陽性など危険因子がある方は、少なくとも年1回は胃カメラ検査を受けられることをお勧め致します。
胃カメラQ&A
Q1. 胃カメラは苦しいのですか?
A1. 苦しさを和らげることが可能です。
口からの胃カメラ検査は、カメラが食べ物が通るのと同じ道筋を入っていきます。
カメラという異物が入れば、人体のしくみとして吐き出す反射(嘔吐反射)が起こるのは当然のことです。
当院ではそれぞれに合う方法で下記のような苦痛を和らげられる提案をしています。
- 少し眠気が出るお薬(鎮静剤)の注射
- 鼻からの胃カメラ挿入
- 呼吸方法の提案
- カメラ画像の共有
} 嘔吐反射が起こりにくくなり、楽に受けられる。
等
Q2. 胃カメラ以外の、胃の検査法はありますか?
A2. 検査の目的によっては、胃カメラ以外の方法もあります。
胃の検査には採血・バリウムを飲む検査・胃カメラの検査があります。
それぞれの検査で分かることや、目的が違います。
検査の種類 | 検査の目的 | 分かること | 分からないこと |
採血 | 胃がんリスク検診 | 胃がんになりやすいかどうか | 今現在胃がんがあるか |
胃透視検査 (バリウム) |
胃がん検診 | 怪しい影があるかどうか | 怪しい影が「がん」かどうか |
内視鏡検査 (胃カメラ) |
がん(病気)の有無 | ― |
Q3. 胃カメラって、いくらかかるのですか?
A3. 費用は状況によって変わります。
胃カメラ検査では、特に病変がなく、観察のみで終了する場合もあれば、鎮静剤を使用されたり、組織検査をされることもあるので、費用はその方によって変わります。
組織検査も、採取した部分によって、費用が異なります。
目安は・・・
- 3割負担の方で、3,800円~12,000円程度
- 1割負担の方で、1,300円~4,000円程度(※当院での費用。再診料含む)
オプション
ご自身の呼気をためていただく「尿素呼気検査」でピロリ菌感染の有無を検査可能
- 所要時間/胃カメラ検査終了後20~30分
- 料金/3割負担の方:1,620円、1割負担の方:540円
※ 胃酸を抑える薬を服薬中の方は受けていただけないこともあります。
胃カメラについて、よくあるご質問
◆ Q&A1. 胃カメラは苦しいと聞きましたが…。
- 胃カメラって、苦しいんですよね?
- 一番、心配に思われるのが、その点ですよね。
- 受けたことのある人が、ものすごく苦しかったと言っていました。それを聞くと怖くて…
- 胃カメラ検査(口からの場合)は、食べ物が通るのと、同じ道筋を入って行きます。
ところが、異物が入れば、吐き出す反射(嘔吐反射)が起こるのは、人体のしくみとして当然のことです。当院のスタッフは、それを理解した上で、できるだけ苦痛を減らすように努めています。 - どうやってですか?
- 例えば、一つの方法ですが、少し眠気がでるようなお薬(鎮静剤)を注射で使うと、反射が起こらずに楽に受けて頂けることがあります。
- 注射も、どっちかって言えば嫌なんですけど…。
- そうですね、注射をしなくても、呼吸の方法で楽になったり、カメラで見えている画像を一緒に見て頂くことで、乗り切れる方も多いです。当院では、鼻から胃カメラを入れることもできます。
鼻からカメラを入れる場合、嘔吐反射が起こりにくいので、口からでは苦手でも、鼻からの胃カメラなら、大文夫という方も多いです。 - 鼻… 口… どっちがいいんだろう、分かんない…
- 鼻からやってみて嫌だったら、口からに変えることもできますよ。その逆の順でもいいです。
- 費用が2倍にならないですか?
- 大丈夫1回分です。
他にも、検査を楽にするための方法は多々あり、検査を受けられる方のご要望に沿って、おひとりおひとりに、最適な方法を選んでおります。それによって、「我慢の範囲内」で検査を受けて頂くことは、可能かと思います。
◆ Q&A2. 胃カメラ以外の、胃の検査法はないんですか?
- 胃の検査って、胃カメラ以外にも、バリウム飲むやつとか…いろいろあるけど、それじゃだめなんですか?
- 胃癌を対象にして行われる胃の検査には、まず「胃がん検診」と、「胃がんリスク検診」があります。
- …どう違うんですか?
- 「胃がん検診」は、今現在、あなたの胃(※ 実際には、胃カメラの検査時に、咽頭・喉頭・食道・十二指腸も観察し、その部位の癌の有無についても見ます)に癌があるかどうか、を調べます。バリウムを飲む検査と、胃カメラの検査がこれです。
「胃がんリスク検診」は、あなたが、胃癌にどれくらいなりやすい状態か、を調べます。
採血するだけでの検査なので、比較的受けやすいですが、「胃がんになりやすいかどうか」を調べるだけなので、今現在癌があるかどうか、については、分かりません。 - え、癌があっても分からないんですか?
- そうです。それで、「胃がんリスク検診」で、「とても胃癌になりやすい」と判定された方は、もしかしたら、今癌があるかもしれないので、後で、「胃がん検診」として、胃カメラ検査を受けることを勧められます。
- ややこしい…最初から癌があるかどうか、調べて下さいよ。
- そう感じられる方は、多いでしょうね。ただ、まだ年齢がお若く、特に症状もない方は、胃癌にかかっておられる可能性はかなり低いので、最初から胃カメラを受ける必要は無い、と言えます。逆に、若くて症状もなくても、実は胃癌になりやすい体質をお持ちかもしれませんので、必要のある人だけ、胃カメラを受けるようにする方法として、考えられたものです。
- バリウムの検査と、胃カメラの検査は、癌があったら、分かるんですね?
- 実は、バリウムの検査(胃透視検査といいます)だけでは、癌があるかどうかは断定できません。
胃透視検査を受けて、「怪しい陰」が画像に写った方は、それが何かを確かめるために、胃カメラ検査を受けて頂きます。 - じゃあ、結局、胃カメラ受けなきゃダメなんですか?
- そうですね。胃カメラ検査を受けて頂くと、病気の有無はすぐに分かります。
ただ、胃カメラ検査の短所は、費用がかかること、受けられる方によっては、とても痛く感じられることです。 - どれも、長所と短所があるんですね…。
- 年齢が同じ方でも、「胃癌にかかりやすいかどうか」は、人によって違います。「胃ガンリスク検診」で、ご自分の胃ガンになりやすさを、知って頂いて、リスクの高い方は、お若くても胃カメラ検査をおすすめいたします。
(※「胃ガンリスク検診」で「B」と言われた方に、あるタイプの胃ガンが出来やすいことが分かってきました。
リスク検診の結果評価については、ご自身でされずに、一度消化器内科専門医へ受診されることをおすすめいたします。)
◆ Q&A3. 胃カメラって、いくらかかるんですか?
- 胃カメラを受けるのって、いくらくらいかかるんですか?お財布にいくら入っていたらいいのか…
胃カメラ検査では、特に病変がなく、観察のみで終了する場合もあれば、鎮静剤を使用されたり、組織検査をされることもあるので、費用はその方によって変わります。
組織検査も、採取した部分によって、費用が異なります。それらを考えると、・3割負担の方で、3,800円~12,000円程度
・1割負担の方で、1,300円~4,000円程度となります。
(※当院での費用です。再診料を含みます。)
その他、胃カメラ検査の結果、胃粘膜にピロリ菌感染の有無を、ご希望検査します。
(保険は使えます。)その場合は、別途費用がかかります。
当院で行っているのは「尿素呼気検査」という検査方法です。胃カメラ検査後、20~30分程度で終了します。袋の中に、ご自分の吐いた息をためて頂く検査です。
費用は、3割負担の方で、1,620円、1割負担の方で540円となっています。
(ある種の胃酸を抑えるお薬を、内服されている方は、受けて頂けない事もあります。)